Takaorthology

2011年4月27日 水曜日

【矯正】子供の矯正と開始時期・終わり方



●子供の矯正は、"終わり方" から考えてみる

子供の矯正の開始時期
というのは、治療法、症状、必要度などに応じて様々なパターンがあります。
しかし、終わり方はひとつです
12才臼歯(第2大臼歯)を含めたすべての永久歯を正しく配列して終わるというパターンしかありません。

矯正治療というステージに登壇する時はいろんな場合があるが、そこからの降壇の仕方は、ただ一つ。
初診・相談の患者さんにはいつもそのことを伝えるようにしています。


例えば、6才ぐらいで受け口の治療をする場合もあれば、9才ぐらいで正中離開を治すこともある。乳歯が早期脱落して永久歯が生えるスペースがなくなったので、これを回復しなくてはいけないケースもよくあります。始める年齢も、つける装置もさまざまです。ムーシールドのようなプラスティック製のマウスピースのようなのもあれば、部分的にエッジワイズ装置をつける時もあります。

ただし、まだ永久歯が全部生えていないので、つけるにしても奥歯2本と前歯4本だけとかがほとんどです。

もちろん、患者さんに治療希望がない場合、通常の適正時期まで待っても問題がなければ、待機という選択も非常に賢明です。
 繰り返しになりますが、適正時期というのは、「12才臼歯を含む全ての永久歯がはえそろっているか、そろそろ生える」という時期です。

もし、この通常の適正時期よりも早期に治療をする場合は、お子さんや親御さんには治療を始める際に必ず納得、了承していただいてることがあります。

・今は必要があって装置を部分的につけている(永久歯はまだ全部生えていない)
・現段階での目的が達成されたら装置はすぐにはずす
・通常の適正時期までは、もうしばらく時間がかかるので、それまでお休み
・その段階で生えてくる12才臼歯はおかしな所にはえてくることも多く、それを含めてしっかり並べて終了するのが矯正治療であり、奥歯の配列は機能的にも重要。それを放置してはいけない。

ですから、お子さんの友達が3年生や4年生で治療を始めたからといって焦る必要は全くないのです (^^) 
それは必要と希望があって治療を開始しているのであって、12才臼歯が生え始めたころに治療は再開される可能性が高く、早く初めても終わる時期は一緒だからです。
(もちろん、多少のガタガタは気にならないとか、12才臼歯が内側に倒れて生えてきたけど、見た目に関係ないので治療は要らないというのなら、それも患者さんの自由だと思います。今まで、2~3例そういうことがありました。)

余談ですが、もし早期に「アゴを広げましょう。今しないと大変なことになりますよ。」などと強く勧められたら、
・広げ終わった後にそれをキープしている時
・その後すべての永久歯が生えてきた時にガタガタはないか、特に12才臼歯が生えてきた時
・治療が終了した時
の写真などを先生に見せてもらうのがいいかもしれませんね。一生懸命やっておられるドクターほど、そのへんが気になるので記録をとっていることが多いと思います。
ただ、私は上顎の劣成長による骨格性の反対咬合で前方牽引装置を併用するシチュエーション以外では、早期の歯列拡大はやったことがありません。


さて最初に、

【終わり方は一つ:
12才臼歯(第2大臼歯)を含めたすべての永久歯を正しく配列して終わる】

と書きました。どういう状態なのか、具体例で説明していきます。

症例によってはそのケースの難易度、治療メカニクスなどに応じ、12才臼歯はまだ生えてないがレントゲン的にもそろそろ生えるという頃に治療を開始することが非常に多く、以下、そのような例です。


●上顎の12才臼歯(第2大臼歯)が外側に飛び出して生えてくるような例(とても多い)

上顎の12才臼歯がまだ生えていませんが、治療は開始しました。



半年ほど経過するとだいぶ並んできたようには見えますが、



左の12才臼歯がまだ生えてきていません。右は一見OKなようですが、位置は外にあり、手前の第1大臼歯と不連続。



それから2,3か月すると近心に大きなカラベリ結節のある12才臼歯がやっと生えて来ました。これをキャッチしていきます。



放っておくと、最悪の場合、ちょっとしたことで鋏状咬合(シザーズバイト)になっていた可能性のある位置にありました。シザーズバイトはあまり咀嚼筋にいい影響を与えない咬合形態のひとつです。



右も同じく並べています。左はかなり外に振っているのがわかると思います。


およそ1年2、3か月ぐらいで動的治療を終了した直後。



あれだけ外に振っていた第2大臼歯が、手前の臼歯群と連続性が確立されました。



そこからさらに、3か月ほどしたところで写真をとりました。安定しています。



頬側から見ると、まだ嵌合は完全ではありません。ただ、シザーズバイトなどになる恐れはなく、もっと咬みこんでくれることも期待できそうです。

もし、6番目の第1大臼歯が並んできたところで装置をはずしていたら、治療は早く終了するのは間違いないです。
しかし、果たしてそれが矯正治療と言えるのか、どうかですよね。



●下顎の12才臼歯が舌側に傾斜しつつ、捻転しながら生えてくる例(とても多い)

下顎12才臼歯の膨隆も感じられますが、まだ生えてきていません。ガタガタ(叢生)がかなりあります。



治療を開始しました。



半年ほど経過したところで12才臼歯がやっと生えて来ましたが、舌側に傾斜すると同時に捻転して出現してきました。



写真を少し大きくしてみました。下顎の12才臼歯は行き場がないと、こういう挙動を見せながら生えてくることが多いのです。



それから2,3か月して装置をつけたところです。対合歯を考えるとかなり厳しいところについてます。実際にはもっと深めにチューブをつける必要がありますが、歯肉との関係で無理。これは後でベンドで対応せざるを得ません。



上から見たところですが、12才臼歯以外のところでも、青の矢印のところはちゃんと並んでいません (^^;) 



開始後、1年近く経過しました。



上から見たところですが、12才臼歯のポジションはだいぶ改善が見られますが、矢印のところがまだよくなってないですね。歯磨きがうまくできていなかったり、予約に遅れたりすることが重なると、なかなか矯正医がやりたいことをやる時間がなくなってしまいます。
矯正医に仕事を目一杯させるには、歯磨きをきちんとして、予約時間を守るといいですよ〜 (。◕‿◕。)



1年6か月後、動処終了後しばらくしたところです。私は装置をはずしたその日とかに記録用の写真を撮ることはめったにありません。しばらくして、咬合が落ち着いてきたところで撮影します。
まだ歯肉をかぶってるところもありますが、連続性は確立されています。




咬合面から見ると、12才臼歯の回転はもう少しオーバーコレクションしておいたほうが良かったかと思いますが、口腔衛生の観点から、これ以上、治療を引き延ばすのは難しいケースでしたので、概ねOKです。

関連記事
2009.09.07 【矯正】12才臼歯を考えた矯正治療の開始時期


以上、今回はたいへん長くなってしまいましたが、ご一読たいへんありがとうございました。







投稿者 高尾 祝文 | コメント(0) | トラックバック(0)

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