Takaorthology

2010年12月21日 火曜日

【矯正】ブラックトライアングル について (1/N)

●ブラックトライアングル


WikiPediaでは「ブラック・トライアングルとは、歯間乳頭(歯と歯の間の歯肉)が退縮し、黒い三角形の隙間として見える審美障害のこと」と定義されてます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ブラック・トライアングル_(歯科)


↑の写真のように矯正治療中では、成人では特に切歯の間の審美障害として現れることが多いのです。歯牙同士が接触しているコンタクトポイントとその直下の歯槽骨の骨頂までの距離が5mmを超えると発生しやすいと言われており、その通りだと思います。
歯周病により、骨が消失し、歯肉が退縮するとこれを改善するのは難しくなりますが、それ以外の場合はほとんど対応可能と思われます。


●Case1



歯周病でなく、また歯根の開き方が適正でも、隣接面の形態によっては、この症例のように、ブラックトライアングルが出来やすい場合もあります。このケースでは中央以外の歯では、大きな面で接触しているのでトライアングルが生じていないのに対し、中央の2歯はその形態から点接触に近い形でコンタクトしており、ブラックになりやすいのです。対処法としては、隣接面をストリッピングし、もう少し低い位置でロングコンタクトを付与させるのが一般的です。

それを治したのが、下の写真です。これで今後、この部分に審美的な問題は生じることはなくなりました。







●Case2


正面から見た限りでは下顎の中切歯間は歯根がそれほど開いているように見えないのですが、咬合面からチェックすると、そこそこ開いており、注意が必要なケースです。この場合、上記のような隣接面の形態が関係しているブラックトライアングルではなく、歯根の開きに依拠するタイプです。ブラケットの位置づけの際、それを補正するように位置づけするのですが、あまりやりすぎると、切縁が斜めになることがありますし、(これはあらかじめ調整する旨、患者さんに伝えておかねばなりません)、トライアングルが隣の歯牙同士に移動してしまうこともあります。



やはり最初のブラケットの位置では写真のようにブラックトライアングルが生じてしまいました。どれぐらい角度を変えるべきか、慎重を期すために模型とレントゲンでチェックし、中切歯2カ所のブラケットの位置の修正を行ったところです。



ブラックトライアングルはほぼ消失し、治療を終えています。



咬合面から見たときに、歯根の方向が適正になっているのがわかると思います。

このケースでは途中で中切歯のブラケットを付け直しています。歯軸とブラケットの長軸の角度に2°ぐらいの開きを与えています。なぜか。
通常、歯軸とブラケットの長軸を平行にするのが原則です。そうしたときに歯根がどう配列されるか、ブラケットの設計で決定されます。


デーモンブラケットの角度

デーモンブラケットではこれが、ロスタイプという処方に基づいており、やや歯根が開くようになってます。そして、この処方しかないのがデーモンの欠点でもあると思います。この角度がゼロ°のマクローフリンタイプのものがありません。

よって、ブラックトライアングルを避けるために、ゼロ°のものがある、クリッピーセラミックとというブラケットを使用することもあります。歯軸、切縁の形態、その修正が可能かなど、複数の要素を勘案した結果としてです。

メーカーとして、デーモンシステムはトルクの多様性を目指しているようですが、前歯部のアンギュレーションについても日本人にもう少し合ったものを提供して欲しいと感じている次第です。


まとめとして、ブラックトライアングルは歯周病があるときは改善が難しいですが、そうでない場合は治療初期から対処していくことで防止と是正を図るのが当院のデフォルトです。

以上、今回もご一読たいへんありがとうございました。










投稿者 高尾 祝文 | コメント(0) | トラックバック(0)

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