Takaorthology

2010年9月22日 水曜日

【矯正】バイオネータ:骨格的に下顎が後退している成長期に

機能的矯正装置バイオネーター
今日は機能的矯正装置というちょっと地味な装置を紹介します。写真は当院で使用しているバイオネーターというものです。これは11〜13才頃の思春期性の成長期の頃に使用し、下顎の前方成長を促進し、骨格的な下顎後退パターンを改善する装置です。くだけた感じで伝えるなら、「上下とも歯列にガタガタはないけど、ものすごく出っ歯ちゃん」と表現できるような子供さんに適した装置です。

初診・相談などで主訴の欄に「出っ歯」とか「前歯が出ている」という場合、親御さんに「いやそんなに出てないですよ」というと、皆さん「え〜!!」という顔をされます。

そして「ほんとに上の前歯はそんなに出てないんですよ、問題は下顎の成長が悪くて、後ろに下がっているので、相対的に出っ歯に見えるだけ」という話をします。

それでも納得されない場合は、お子さんに下顎を受け口にするみたいに少しずつ前に出していってもらい、ちょうどいいところで止めてもらいます。そして、口を閉じた横顔を保護者に見てもらうと、皆さんすごく感動されます。ものすごくよくなったように見えるからです。

つまり、上顎前突といっても、上が出ているというより、下顎が後退しているというケースがものすごく多いのです。

下顎後退のセファロシェーマ
検査をしてレントゲンなどを撮影したら、それをもとにいろんな指標をチェックします。

下顎後退のセファロシェーマ
バイオネータなどの機能的矯正装置に適しているかの基準に必要なデータを照らし合わせます(このケースの場合は少し厳しいかもしれません)。

機能的矯正装置バイオネーターの写真
機能的矯正装置バイオネーターの写真
実際に使用となると、バイオネータ在宅時に使用し、デーモンシステムなどのブラケットとワイヤの治療に先立ち、6〜9ヶ月ぐらい使用します。しっかり使用できればかなりの効果が期待できます。
6〜9ヶ月でOKとなれば、デーモンなどのブラケットとワイヤの矯正治療に移行します。

それでは実際の臨床例です。

下顎後退型の2級症例
例えば、この症例では上下に叢生はなく、分析の結果も適しており、協力がよければ治療は成功することはわかっていました。
良好な側貌の変化
側貌も良好となりました。下顎が後退している場合は、口唇閉鎖がしにくく口呼吸も併発していることが多いのですが、治療後は無理なく口唇が閉鎖されています。


下顎後退タイプの不正咬合(叢生あり)
この症例では上顎に叢生がそこそこあり、バイオネータの適応からは、少なからず逸脱するのですが、他の装置と組み合わせてバイオネーターも使用しました。
良好な側貌の変化
治療途中で鼻唇角という鼻と唇の角度が鋭角方向に悪化するようなことがあれば抜歯という選択枝もあることを最初から納得してもった上で治療を始めましたが、それも大丈夫でした。口唇閉鎖や鼻呼吸をしっかり意識してくれていたことが大きいと考えられます。
抜歯はしていませんが、良好な側貌が得られていると思います。口唇閉鎖は良好で、オトガイの緊張は消失し、Sulcusもきれいに形成。もちろんスマイルもExcelent!です。

最近は患者さんの協力を最小限にし、治療期間を短縮させることのできる装置もアメリカなどでは発売されているのですが、
Advansync : http://www.ormco.com/index/ormco-products-advansync
薬事の関係で、日本ではまだ使用できないのが残念です。

 ご一読たいへんありがとうございました。


投稿者 高尾 祝文 | コメント(0) | トラックバック(0)

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